ニキビ改善の話になると必ず出てくるターンオーバーですが、ターンオーバーって何なの?そんなに重要なの?という人のためにターンオーバーについて詳しく知ってもらいたいと思います。
ターンオーバーとは角質層と言われるお肌の表面の生まれ変わりのサイクルのことで、お肌を守ったり、お肌の潤いを保ったりする上で重要な働きがあります。ターンオーバーが乱れるとニキビや肌荒れを起こしてしまったり、お肌のキメが乱れ老け顔に見られてしまったり、しわやシミの原因にもなってしまいます。
ほぼすべての女性が目指す美肌にも例外なく重要な関わりを持つのががターンオーバーなので、しっかりターンオーバーの働きや重要性を理解してください。
それではターンオーバーがどのようなものかということから見ていきましょう。
目次
肌のターンオーバーとは
お肌の基本構造
まずはお肌の基本的な構造を理解することが必要です。
お肌は奥の方から皮下組織・真皮・表皮と3層に分かれています。普段私たちが触れているのは一番上の表皮という部分になります。
そして表皮は4層構造をしていて、また奥の方から基底層・有棘層・顆粒層・角質層に分かれています。厳密に言えば、通常私たちが触れることができるのは角質層ということになるわけです。
お肌の構造を理解して頂けたと思うので、次にターンオーバーとは何か?ということを見ていきましょう。
ターンオーバーって何?
ターンオーバーは表皮の基底層で細胞が生まれて、その細胞が角質層で死んで垢となってはがれ落ちるまでのサイクルのことを言います。
基底層では日々新しい細胞が生まれていて、その新しい細胞に押し出されるように成長しながら角質層に向かいます。角質層に押し上げられる頃に細胞は無核(細胞が死んだ状態)になり、最終的には老廃物として皮膚からはがれ落ちていきます。この一連のサイクルをターンオーバーと言います。
ターンオーバーのサイクルはおよそ28日前後が標準と言われ、加齢やお肌の部位によってそのサイクルの期間も変わります。28日というのは20代での標準でおおよそ年齢プラス10日くらいが標準的です。
ターンオーバーが早い・遅いというのはこのサイクルの期間が早過ぎる・遅過ぎるということになります。
次に、ターンオーバーの働きについて見ていきましょう。
ターンオーバーの役割は?
もちろんお肌の表面を新しく若々しい細胞にしてつやつやした美しい肌を維持するという働きもありますが、一番大切なのがお肌のバリア機能を作り上げることです。角質層に作り上げられたバリア機能によって紫外線や細菌などの外的刺激からお肌を守り、お肌に必要な水分の蒸散を防ぐ役割があります。
このバリア機能は角質層に形成されて有害物質から真皮を守っています。万一、角質層が傷ついてもターンオーバーの働きによって新しい細胞で再構成されていきますが、真皮が傷ついてしまうとそうはいきません。ニキビ跡やあざになってしまい修復は非常に困難になってしまいます。そのようなことを防ぐためにもこの角質層のバリア機能が正常な状態であることが重要になってくるのです。
そして、このバリア機能を正常な状態に保つにはターンオーバーが正常に機能していなければなりません。
ではなぜターンオーバーが乱れるのかという原因や、ターンオーバーが乱れることによってどのような影響がお肌にあるのかというところを見ていきましょう。
ターンオーバーが乱れる原因とお肌への影響
ターンオーバーが乱れる原因は?
ターンオーバーが乱れる原因には多くのことが考えられます。
お肌の乾燥やお肌の損傷などの直接お肌にダメージを与えるものの他に内面的なことでもターンオーバーが乱れる原因になってしまうことがあります。
- 睡眠不足
- ストレス
- バランスの悪い食事
- ホルモンバランスの乱れ
- 内臓疾患
- タバコ
- アルコールの過剰摂取
このようなことが全てターンオーバーを乱す原因になります。心当たりのある人も多いのではないでしょうか?
この他にも細かい原因はたくさんあります。これらの原因が重なり合ってターンオーバーの乱れを誘発することがほとんどなので、お肌の乾燥を改善して一時的にニキビが治ったとしても安心することはできません。内面的な原因が残っている限り、いつまたニキビができてしまってもおかしくない状況だと言えます。
次に、ターンオーバーが乱れるとお肌にどのような影響があるのか見ていきましょう。
ターンオーバーのサイクルは長くても短くてもダメ!
ターンオーバーのサイクルは加齢と共に嫌でも長くなっていくので、一生懸命ターンオーバー促してサイクルを短くしようと頑張っている人がほとんどかと思いますが、ターンオーバーは早くても遅くてもダメなんです。
そこで、それぞれの場合に分けて肌に及ぼす影響を見ていきます。
ターンオーバーが遅くなってしまった場合
ターンオーバーが遅くなってしまうと、本来はがれ落ちていく古い角質細胞がはがれ落ちずにお肌の表面に残ってしまいます。肌がゴワゴワすると感じたら角質細胞が残ってしまっている可能性が高いです。
角質汚れが溜まりお肌がくすんで見えたり、化粧水などの浸透を妨げるのでお肌の乾燥を招く可能性もあります。また、毛穴をふさぐ角栓の原因にもなりますのでニキビなどの肌トラブルも招いてしまいかねません。
ターンオーバーが早くなってしまった場合
どちらかというとこちらの方が重症です。ターンオーバーが早くなってしまうと未成熟な細胞が表面に出てきてしまうため、バリア機能が正常に構成されなくなってしまいます。バリア機能が不完全なため、お肌は真皮を守ろうとターンオーバーを早めてバリア機能を作り出そうとしてしまいます。
ここでちょっと角質層のバリア機能について説明しておきます。角質層のバリア機能というのは、角質細胞と細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)で構成されていて、角質細胞と角質細胞の隙間を細胞間脂質が埋め尽くしラメラ構造という層を作り出すことでバリア機能が機能します。よくレンガの壁に例えられますが、赤いレンガが角質細胞で、その間のセメントが細胞間脂質ということで隙間なく埋め尽くして異物をガッチリブロックする構造になっています。
この細胞間脂質の50%程度は、かの保湿成分で有名なセラミドでなので、セラミドが不足するとバリア機能も機能しなくなってしまいます。実はターンオーバーが早まることでの最も悪い弊害はここにあります。
化粧水の補給成分などで有名になったセラミドですが、このようにもともと細胞間脂質の一員としてお肌のうるおいを保持するために頑張っていました。では、このセラミドってどうやって体内で生産されていると思いますか?
角化細胞は基底層で生まれ標準的には約14日程度で角質層まで押し上げられてきます。そして角質層に入ってさらに約14日程度かけて表面まで押し上げられてはがれ落ちていきます。この時角質層では角化細胞が細胞の核を放出して角質細胞に変化するということが起こるのですが、この核の放出によってセラミドが生産されます。
そのため、話は戻りますがターンオーバーのサイクルが早くなるとこの核の放出が行われないうちに細胞が押し上げられてしまうので保湿成分の生産が不足し、バリア機能がいつまでも再生されないという悪循環が起きてしまいます。
バリア機能が機能しないため、代わりに若い細胞の残骸を肌に留めておくようになって角質肥厚が起こり、ニキビや肌荒れ、皮脂の過剰分泌などの原因となってしまいます。
ターンオーバーの乱れを改善するにはどうすればいいの?
ターンオーバーの乱れを改善するにはまずスキンケアを見直すこと、そして根本的原因も改善していくことが大切です。ニキビ肌を改善するには避けて通れないので頑張ってみましょう。
スキンケアの見直し
一番簡単で即効性が高いのがスキンケアの見直しです。とは言え大したことではありません。洗顔と保湿にフォーカスを当ててお肌のバリア機能構築の邪魔になることをやらないようにするだけです。
- お肌に刺激を与えない洗顔を心がける
- 保湿ケアをしっかり行う
- 過度なスキンケアはしない
たったこれだけです。表面的な肌ケアはできることが限られています。とにかく大切なのはお肌を乾燥させないことです。
洗顔は手がお肌に触れないように泡洗顔で優しく洗います。目に見えなくても細かい傷ができてしまい乾燥の原因にもなるのでお肌への刺激や摩擦は厳禁です。過度な洗顔も必要な皮脂まで落としてしまい乾燥の原因になるので洗顔料を使っての洗顔は1日1回にしておきましょう。
洗顔後はすぐに保湿です。洗顔の後はお肌が無防備になってしまうのですぐに保湿してあげなければなりません。化粧水などをお肌にしみ込ませるように軽くハンドプレスするようになじませます。パチパチと叩きこんではいけませんよ。
洗顔を何度もするとか保湿のために油の多いクリームを厚塗りするなどといった過度なスキンケアはやめましょう。油分が多い保湿クリームなどは水分の蒸散を防ぐイメージがあるのでついつい重ね塗りなどしてしまいがちですが、皮脂の排出を妨げ角栓の原因にもなりますし肌力の低下にもつながります。
ピーリングはターンオーバーが遅れている状態が長期間続いてしまっている時などは効果的だとは思いますが、お肌をむき出しにしてしまうので、よほど慎重にやらなければ最悪の悪循環が待っているだけなのでおすすめしません。ピーリングをしなくてもお肌のバリア機能が再構成されれば自然と角質ははがれ落ちてくれます。それでも万一ピーリングを行うのであれば、美容クリニックなどで専門家にお願いするようにしましょう。
ストレスの解消
あまりピンとこないかもしれませんが、ストレスは万病の元です。ストレスを感じると知らず知らずのうちに体内ではいろんなことが起きています。それが廻り廻ってターンオーバーにも影響を与えてしまいます。
ストレスというと心の中がモヤモヤっとした心理的なストレスを思い浮かべると思いますが、天候不順や気候変動、騒音、大気汚染、肩こり、腰痛、目の疲れ、これらのことも全てストレスになってしまいます。
ストレスを感じないようにすればいいのですが、現代社会ではストレスを感じないで生活をしていくのは難しい話です。できるだけ溜め込まないというのが一番の解消法になります。
睡眠不足
睡眠不足もストレスの一つですね。でも睡眠はターンオーバーを整えるのに非常に重要なんです。
ターンオーバーは寝ている間に最も活発に行われます。これは成長ホルモンの働きによるもので、成長ホルモンは細胞の修復を促すホルモンなのですが、寝ている時に多く分泌されるからなんです。特に入眠後3時間の眠りの質が大切です。
人間はおよそ1.5時間周期で眠りの深いノンレム睡眠と眠りの浅いレム睡眠を繰り返します。また、睡眠時間が長くなると眠りの深さは浅くなっていきます。成長ホルモンは眠りの深いタイミングで分泌されるので、この周期の最初の2回の眠りの深さが重要になってきます。ここをしっかり熟睡できているかどうかでお肌の修復スピードにも影響を与えることになります。
そのため睡眠不足がターンオーバーを乱すというよりも、眠りの質がターンオーバーに影響すると言った方がいいのかもしれません。いずれにしろ睡眠不足はストレスになるのでお肌に良くはありません。
なかなか眠れないという人は、寝る1時間くらい前に入浴することをおすすめします。入浴直後は目が冴えてしまうかもしれませんが、体温が下がっていくときに副交感神経が働きやすくなって眠くなるので、スムーズに眠りに入れると思います。
食生活の見直し
バランスの悪い食事を続けていると栄養が偏り体に悪いことは言うまでもありませんよね。ここではなるべく摂った方が良い栄養素のお話をしていきます。
ターンオーバーに必要な栄養素は主にたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などがあります。
- たんぱく質・・・細胞を作るのに必要な栄養素で肉・魚介類、大豆製品などに多く含まれます。
- ビタミンA・・・ターンオーバーを促し皮膚や粘膜を丈夫にします。緑黄色野菜やレバーなどに多く含まれます。
- ビタミンB群・・・ストレスの緩和や細胞の再生に必要な栄養素で豚肉や玄米、牛乳や納豆に多く含まれます。
- ビタミンC・・・コラーゲンの生成やストレス緩和に必要な栄養素でアセロラやイチゴ、キャベツなどにも多く含まれます。
- ビタミンE・・・ビタミンCと一緒に摂取することでお肌の酸化を回復させたり血行を良くする働きがあります。アーモンドやナッツ類、かぼちゃなどに多く含まれます。
- 亜鉛・・・細胞分裂に欠かせない栄養素で牡蠣やホタテ、レバー、納豆などに多く含まれます。
これだけ摂っていればいいということではなく、バランスの良い食事を心がけることが重要です。ファストフードやインスタント食品など添加物の多いものばかり食べている人は要注意です。意識的に食生活の見直しをしていきましょう。
ホルモンバランスを整える
生理前にニキビや肌荒れがひどくなるといった経験ありませんか?生理前はホルモンバランスが大きく変化し、エストロゲン(美肌ホルモンとも呼ばれてます)という女性ホルモンが少なくなることでターンオーバーの乱れる原因になります。
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類に大別でき、このバランスが大きく乱れるとPMS(月経前症候群)がひどくなったり肌トラブルが起きたりしてしまいます。
また、ホルモンバランスとストレスは密接な関係にあり、女性ホルモンと自律神経を調整する働きをしているのが同じ脳の視床下部というところなので、片方がバランスを崩すともう片方にも影響が出てしまい、両者ともターンオーバーを乱す原因になるためお肌にも悪影響が及ぶという負のスパイラルに陥ってしまいます。
そのため、ターンオーバーを根本的に改善するにはホルモンバランスとストレスの改善は必須になります。
ただ、逆にホルモンバランスを改善することでストレスも改善されるという嬉しい側面もあります。笑美がニキビの根本的な改善ができたのはこの働きがあったからなんです。
ホルモンバランスの改善もターンオーバーの改善もおおよそ同じなので笑美は意識的にホルモンバランスを改善することでターンオーバーも改善してニキビを解消することができました。
ニキビ改善の要はターンオーバーにあり!知っておきたいターンオーバーまとめ
ターンオーバーを改善するのは簡単ではありません。しかし諦める必要はありません。日常的に意識することで改善はされますし、笑美のようにニキビ肌を解消することも可能です。
全てを一度に改善しようと思うと、ストレスなどにしわ寄せが出て悪循環になってしまいます。長年の積み重ねが現状なので改善には時間がかかります。長期的な視野を持つことが大切です。
まずはスキンケアを改善するところから始めていきましょう。